みなさんもご自宅にてこのような症状が出たことはおありでしょうか? 問い合わせをもとに、詳細に調べてみました 

 開いて中をよく見てみると、こんな感じで痛んでしまっています 



 黒ずんだ部分から組織を削りとり、顕微鏡で観察します 

 組織の中から、フザリウムという菌が見つかりました これは萎凋病ですね

 今度は芋(球根)の内部を調べます 

 こちらはピアス(一番上の写真の左側)の芋の状態 

 写真の左側が芋の上部、一番右側が底部になります 
 これを見ると、病気に冒されているのは上面だけで、全体に病気が入っている訳ではないようです 病気が発生したのは出荷の前後だと思われます 

 

 ここで注目すべきは↑のなんですが、この断面をみると、どうやら葉腐れ細菌病にかかっているようです 
 
 右の画像では番をひっくり返してみました 
この1番が球根の最上部であり、この上から花が咲いていた訳なんですが、ここから上の部分には萎凋病の症状があり、病原菌も検出されました 
 どうやら、一度葉腐れ細菌病にかかり、弱った部分にフザリウム菌が入って、後発的に萎凋病の症状が顕れたようなのです 

 いずれにしても、痛んでいる場所が比較的に浅いところにありますので、出荷直前、あるいは出荷後に原因があったということでしょう 菌は傷口から侵入することが多いので、葉を抜くなどしてできた傷から侵入したか、あるいは極端に温度条件がかわり、抵抗力が弱ったところに病原菌が繁殖したなどが考えられます また、過湿、高温状態などで菌の繁殖を促すような環境などが影響する可能性もあります

 こちらはもう一鉢の方なんですが、症状はよく似ているのですが、フザリウム菌も検出されず、炭疽病とも少し違います これは原因が特定できませんでした 今後の研究課題です もう少し時間をかけて調べていきます 

 これも上の画像のものと同じく患部が浅い場所にありますが、上のものよりも更に浅い場所にあります  病気の発生はつい最近のようですね 

 このように、病気の症状も細かく調べてみるといろんなことが分かってくるものですが、これらの病気はよくよく観察しても、外見からは判別するのが非常に困難です 我々も十分にチェックをしているつもりなのですが、どうしても完璧という訳にはいきません もし、あまりに早くこのような症状が出る場合には出荷時点で既に病気の元が発生していた可能性が高いです 置き場所、水管理などに問題がなく、特に思い当たる原因もないのに年内にこのような症状が顕れるようなことがありましたら、是非ともご一報いただきますよう、よろしくお願い致します 

病気の症例

 生産過程において、病気に強いシクラメン作り、病気のない株の出荷を常々心がけていますが、まだまだ完璧という訳にはいきません 出荷後の情報もお寄せいただき、我々の勉強の機会とさせていただけましたら幸いです